特別養護老人ホーム岩出の郷

岩出の郷 職員倫理要領及びそれに基づく具体的行動規範

◇◆目次◆◇※各項目をクリックして下さい。

第1条 個人の尊厳を尊重する*

 私たち岩出の郷の職員は、全ての人々の基本的人権を積極的に擁護し、入居者及び利用者(以下、入居者)一人ひとりをかけがえのない大切な存在として尊重します。また、他からのいかなる人権侵害も許さず、毅然と対応します。

【具体的行動規範】

  • 入居者の方々を私たちの人生の先輩として敬い、いやな表情などせず、尊敬語・思いやりを持って接します。
  • 「ちょっと待って・後で」という言葉だけで待たせたりしません。
  • 入居者の方々に対し、命令的・威圧的な態度や言動は絶対にしません。
  • 暴力や虐待は絶対に行ないません。また職員間において人権を無視するような行為や言動が見られた時は、隠すことなく公表し、職員の質の向上を目指します。
  • 入居者の方々のことは「〜さん・〜様」を基本とした呼び方や記録をしていきます。
  • 入居者の長所や良い点に着目し、どのように援助すべきかという視点で取り組みます。
  • 入居者は、視力・聴力・言葉が不自由になりがちです。そのため入居者が必要とする情報や岩出の郷の経営や行事・地域の催し物等について積極的にお知らせいたします。
  • 会話は気長に落ち着いて心から語りかけ、相手の立場に立って考えて行ないます。
  • 身体拘束や抑制は、縛ることや虐待と認識し、これを全力をもって防止いたします。また入居者やご家族の思いや願いを検討しながら、共に身体拘束について認識を深めていきます。

第2条 入居者主体での生活支援*

 私たち岩出の郷の職員は、入居者主体の介護サービスの提供に努めます。また積極的に様々な情報を提供し、自らが選択・決意したことを尊重し、行動できるように誠実に対応します。

【具体的行動規範】

  • 入居者の生活歴・生活信条・地域文化・伝統を理解し、入居者本人の意向に添った適切なサービスの提供を約束します。
  • 入居者は介護されるだけではなく、生活していく主体であることを大切にします。
  • 業務や日課にこだわらない個人の生活リズムを大切にいたします。
  • 今日一日生きる、入居者の願い・思いは即実行します。
  • 選挙権の行使にあたっては、地域投票所での投票に配慮します。
  • プライベート空間を入居者の豊かで個性ある空間作りに個人の調度品等の持ち込を積極的に推進します。
  • 施設生活において選択肢を多くし、押し付けることなくサービス内容を選択できるように支援します。
  • 居室の移動、行事や外出への参加については、入居者やご家族の同意を得てから行ないます。
  • 入居者が分かりやすいように、コミュニケーション・伝達方法などを工夫します。
  • 保護的見守りによる自己決定権の侵害がないか常に検討します。

第3条 入居者の財産とプライバシーの保護*

 私たち岩出の郷の職員は、入居者の財産やプライバシーを守り、それらの権利が侵されることを未然に防ぎます。また個人の情報が承諾なしに勝手に使用されないことを保障します。

【具体的行動規範】

  • 入居者のプライバシーの保護(秘密保持、持参物の管理、私的時間や空間の確保など)に配慮します。
  • 入居者に必要な購入物品については、入居者及び代理人の意向をお聞きして、了解を得た上で対応します。
  • 入居者の方々の金銭出納にあたっては、必ず1人以上の職員の立ち会いのもとで対応するようにし、品名等を明示した領収書やレシートを保存します。
  • 職場を離れれば、入居者に関する情報は一切話題にいたしません。
  • 同性介護を基本とし、入居者の意向に添った異性マナーを意識して接遇を行ないます。
  • 入居者のお部屋を訪問する場合は、たとえケアのための入室でも私たちが他人の家を訪問するのと同じ対応をします。
  • 実習生や研修生に対し、ケース記録等の閲覧は許可しません。

第4条 専門的で質の高いサービス提供*

 私たち岩出の郷の職員は、入居者一人ひとりのニーズに基づいた福祉サービスを提供することを保障します。また入居者の声に常に耳を傾け、共感を持ってできる限り受容して安心と誇りの持てる心豊かで潤いのある生活を共に作ります。

【具体的行動規範】

  • おむつに頼らない良質な排泄ケアに努めます。
  • サービス提供の自己点検と第三者によるサービス評価を実施し、質の向上に努めます。
  • 笑顔や会話を大切にしたケアを行ないます。
  • 職員は援助者としてその専門性を向上すべく、施設内外での研修への参加・実施をして絶えず研鑽を重ね、入居者が生き甲斐ある健全で充実した人生が送れるよう支援し続けます。
  • 『ヒヤリ・ハット』による事故未然防止とリスク管理に努めます。
  • 介護事故リスクにおける事故の根底にある背景事情を探り、環境とそこに存在する人間双方における要因を探り、事故の発生防止・再発防止の対策をします。

第5条 サービス計画策定への入居者の参画支援*

 私たち岩出の郷の職員は、入居者に係る福祉サービス計画の立案や個別生活支援計画(ケアプラン)の策定にあたっては、入居者本人及びご家族の主体的な参画を基本とします。

【具体的行動規範】

  • 自己選択・自己決定するにあたり、インフォームド・コンセントに十分に配慮し、また不当・過度の干渉は行ないません。
  • ケアプランを策定する場合は、入居者主体を基本に検討し、可能な場合は入居者自身を交えて立案及び策定いたします。
  • ケアプランの実施にあたっては必ず入居者やご家族の承認を得てから行ないます。
  • 入居者からの要望やフィードバックを基に、定期的なプランの見直しを実施します。
  • 介護・生活・人生の質を重視したケアプランを目指します。

第6条 意見・質問・苦情への姿勢*

 私たち岩出の郷の職員は、入居者の些細な意見・質問・苦情であっても真摯に傾聴し、具体的な解決・改善を図っていくことを保障します。

【具体的行動規範】

  • 定期的な入居者自治会議(入居者主導の入居者会議)を実施し、入居者の方々の要望を把握します。
  • 入居者と対話し、入居者の声に耳を傾け、信頼関係を確立することにより、個別に気軽に言える環境づくりに努めます。
  • 苦情解決相談窓口や担当者を設置し、円滑に解決、改善を図っていきます。
  • 入居者の人権や権利に関わること、質問、苦情等に対する結果については、情報公開をしていきます。
  • 入居者の方々の意見や質問・苦情はサービス向上の最大限の情報とさせていただき、謙虚に誠実に対応します。
  • ご意見や質問・苦情を言ってくださるお客様に感謝し、言わないお客様の代弁であると捉え、適切に対応いたします。

第7条 地域社会への働きかけ*

 私たち岩出の郷の職員は、地域社会の一員としての自覚を持ち、関係機関・団体等との密接な連携のもと、地域福祉の向上に努めます。

【具体的行動規範】

  • 入居者が地域の中で市民として生活していくために、積極的に地域に働きかけ、理解や協力が得られるように努めます。
  • 『あったか村』(地域保健医療福祉の総合エリア)の一員として、交流や連携を図ります。
  • 広報誌の定期的な発行やホームページ、あるいは施設行事(夏祭り・敬老会等)の地域や家族へのアナウンスにより、施設での日常や取り組みなどを広く知っていただけるよう努めます。